榎本メソッド小説講座

榎本メソッドとは?

榎本秋と榎本事務所が、10年以上に渡る「創作」「編集」「指導」の3分野における経験をもとに確立したエンタメ小説を書くための基礎となる方法論です。プロットも長編もこのメソッドをもとに書くことで、読みやすくわかりやすい作品を作ることができます。メソッドをもとに精進することで、デビュー後も商業小説家として安定した執筆ができるようになります。

テーマ 物語で書きたいことを明確にする
キャラクター 読者が感情移入できるキャラにする
細かい質問に答えて人物像を固める
物語における行動動機・目的を必ず作る
世界観 舞台装置に徹し、
キャラクターの活躍を第一にする
ストーリー あらかじめ50シーンを作っておく
細かいエピソードを日頃から考える
文章力 接続詞を減らし、1文を短くする
主語がはっきりわかるようにする
ガイド(場所や時刻の描写)を頭に入れる
情報・知識・アイデア 好奇心旺盛に、得た物事を記録する
プロット たくさんプロットを作り、
物語の質を高める

最も大切なこと

完成させることでレベルアップ

プロットができて書き始めたら必ず完成させてください。書けないところは箇条書きでいいので、必ず完成させましょう。自分が立てたプロットがどういう長編になるかを知ること。また指導者からすると、長編の文体・雰囲気がわかることで個性に応じた指導ができます。

情報・知識・アイデア

好奇心旺盛に、得た物事はメモをとる

手書きメモ、ボイスメモどちらでもいいので、メモをとる癖をつけましょう。読んで感動した本。ドラマ、アニメ、映画でも。外出時に感動したことでもokです。なにか特別なものを買ったら、そのときの気持ちが大事なのでメモしましょう。年齢ごとの経験はその時でしかできません。一期一会を大事にしましょう。

テーマ

その物語で書きたいことを明確にする

あれもこれも書きたい気持ちはわかります。しかし、物語に芯となる部分がないと読者も何を楽しみにその物語を読んだらいいかわかりません。物語に感情移入してもらうためにも、芯となる柱はきちんと作りましょう。

キャラクター

読者が感情移入するキャラにする

主人公に感情移入できるのが一番いいですが、それが難しい場合は、狂言回しや読者目線などの人物を用意して読者が物語に感情移入できるようにしましょう。

細かい質問に答えて人物像を固める

主要なキャラクターにさまざまな質問をし、キャラクター性を浮き上がらせましょう。所作、口癖、外見、趣味などでキャラクターを個性付けることが大事です。

物語における行動動機・目的を必ず作る

その物語において主人公にどういうバックボーンがあって、物語が始まったのか、そして、その物語において何を成しとげるのか。この柱をきちんと立てることで、物語はとてもわかりやすくなります。

世界観

舞台装置に徹し、キャラクターの活躍を第一にする

世界設定を作ることはとても大事です。しかし、物語を描く上で作った設定はなんでもかんでも出さないようにしましょう。設定を覚えないと読めない作品は、読者にとってハードルが高いためです。最低限の状況描写やセリフで世界を効果的に見せましょう。

ストーリー

あらかじめ50シーンを作っておく

プロットができた後にいきなり執筆するのではなく、具体的なシーン割を約50ほど作りましょう。
今までの経験だと、長編小説の場合35~70ぐらいが適切です。こちらを作っておくことでより詳細な設計図が手に入りますので、執筆途中で迷うことが減ります。

細かいエピソード(出来事・イベント)を日頃から考える

日常生活の中で印象に残ったり、面白いと思ったことを書き留めたり、発想してみたりしましょう。実際のエピソードは普段でも起こりうることのほうが、架空の世界観でも実感を持てます。

文章

一文は短く、接続詞を減らす

文章を読みやすくするコツはズバリ【一文を短くする】【接続詞】を減らす。ことです。係り受けが増えるほど文章の意図を取るのが難しくなってきます。まずは、シンプルでわかりやすい文章を目指しましょう。

ガイド(場所や時刻を説明する描写)をシーンの頭に入れる

ガイド。つまりは、シーンごとに場所、時刻、そこにいる人物などを明示することをいう榎本メソッドの独自用語です。これを行うことにより、読者が物語を読み進める際にわからなくなることが減ります。

プロット

小説もプロットの出来が重要

最終的に、小説が面白くなるかはプロット段階で決まることがほとんどです。一部プロットがないほうが書ける方もいますが、基本的には、よいプロットを作れると長編小説の出来も上がると思ってください。

たくさんプロットを作り、物語作りの質を高める

プロットは数が大事です。できれば毎週1本はプロットを作るべきだと思います。たくさんのプロットがあれば商業出版デビューをした後に編集さんに見せられる数も増え、それだけチャンスも増えます。どれだけのプロットの手数があるかはデビュー後を左右します。

推敲

物語の盛り上がりが3回以上あるか、波線グラフを用いて確認する

長編を書き上がったら読み返し、物語の盛り上がり、どんでん返しなどの盛り上がりポイントを中心に、波線グラフを作ってみましょう。盛り上がるポイントが少なかったりラストに向けて盛り上がっていなかったりしたら、盛り上がるエピソードを入れてみましょう。