榎本メソッド小説講座

第7回:【榎本事務所スタッフの本を読まない休日】幻の万博

2026.04.17

突然ですが、1年前の2025年4月といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

 

そうです、大阪・関西万博です。4月13日から10月13日までの184日間にわたって開催されていたこの祭典、皆さんは足を運ばれましたか? 私は結局一度も行くことができませんでした(泣)。閉幕からおよそ半年が経った今、私は(行っていないのにもかかわらず)うっすらとした「万博ロス」の中にいます。今回はこのやり場のない気持ちを晴らすため(あるいは、同じく行く機会を逃した人と気持ちを分かち合うために!)万博についてお話しさせてください。

 

閉幕後、万博を訪れた家族や友人は口を揃えて「開幕直後に行った人がいちばん賢かった」と言います。つまり4月から5月にかけての時期です。思い返せば開幕前、万博に対しては少なからずネガティブな空気が漂っていました。私もその噂を真に受けてしまい、「わざわざ行かなくてもいいかな」と当時は考えていました。

 

実際に開幕してからも「食べ物が高い」「パビリオンの工事が間に合っていない」など不満の声がSNSで溢れていました。たしかに食事の価格設定は高めだったようですが、冷静に考えればテーマパークなどではよくある価格帯であり、万博だけが特別だったわけでもないのかもしれません。

 

しかし、こうした悪評によって様子見を決めた人は多かったらしく、4月などは来場者数が10万人を下回る日もあったようです。のちに混雑がピークに達した際は20万人を超えていたことを思えば、半分以下のゆとりがあったことになります。

 

徐々に「行ってみると楽しかった」というポジティブな感想が悪評を上書きしますが、その頃の日本は酷暑に見舞われていました。万博会場は大屋根リングの下以外、日陰がほとんどありません。暑さにめっぽう弱い私は、ここでまたもや来場を断念しました(8月に訪れた家族は熱中症で倒れる来場者を何人も見たそうで、私の判断もあながち間違っていなかったかも)。

 

そして9月下旬。ようやく気温も落ち着き、「今ならいける!」とスマホに万博のアプリをインストールして準備万端。さあチケットを取るぞ……あれ、取れない……?

 

ご存知の方も多い通り、閉幕直前の9月下旬は「駆け込み勢」による熾烈な争奪戦が繰り広げられていました。つい数秒前まで在庫があったチケットが、決済画面に移る頃には完売している……そんな状況が当たり前だったのです。結局、慎重になりすぎて様子見を続けていた私は、万博へ行く機会を永遠に失うという、なんとも切ない結末を迎えたのでした。

 

2025年の大阪・関西万博の前に日本で開催されたのは、2005年の愛知万博。その前は1990年の大阪(花博)でした。おおよそ20年に一度のペースで巡ってくる計算ですから、この先も元気でいれば、また万博に行くチャンスはあるかもしれません。ただ、その時に万博会場を歩き回れる体力が残っているかどうかは、また別の問題ですね(笑)。

 

とりあえず今は、YouTubeに溢れている万博関連の動画を眺めながら、「万博に行った気分」に浸っています。現地に行かずともその場の空気を味わえる、現代の文明の利器には感謝しかありません。

 

余談ですが、先日、イギリス館で提供されていたと噂の高級スコーンを食べてみたところ、めちゃくちゃ美味しかったです。こうした「小道具」を揃えると、より一層、私のエア万博(?)に深みが増すような気がします。