榎本メソッド小説講座

スランプから脱出できる5つの方法|プロ小説家も実践!

1本の小説を完成させるのは、なかなか根気のいる作業です。そんななかスランプに陥って、何も書けなくなってしまう方も多くいらっしゃいます。そんな状態を抜けるために重要なのは、とにかく行動を起こすことです。

今回はスランプから早く脱出するための方法をご紹介します。

方法その1:悩んだらプロットを振り返ってみよう

スランプで小説が書けなくなる_スランプ脱出法|榎本事務所
小説を書いていて「自分が一体なにを書きたかったのか分からなくなってしまう」というケースはよくあるものです。これが長編小説ともなれば、作業時間も長いので仕方がないことなのかもしれません。

だからといってそこで諦めて、終わりにしてしまっては元も子もありません。そこから気持ちを立て直して、また書きはじめることが大切なのです。

その方法として効果的なのが「初心を見失ったら初心に戻る」こと。

プロットをもう一度見直して以下のポイントを再確認してみましょう。

  • 何をテーマとして書きはじめたのか
  • どのような世界観の設定だったか
  • 当初のキャラクター設定

あらためてプロットに立ち返ると、作品を書こうとしたときの構想を思い出せます。小説のアイデアをプロットに残しておいたのは「思うように書けなくて迷子になったときのため」だったのです。これを使わない手はありません。

プロットを見返して、さらに掘り下げて考えるのもいい方法です。キャラクターの細かい設定を再構築したり、日常生活をショートショートとして書いてみたりするのもいいでしょう。

より詳細に掘り下げることでまた新しい展開を見つけられるかもしれません。

また小説の舞台に設定した「世界」のことを深く知るために役立ちそうな書籍を探し、読んで調べるのも大切です。深めた知識から新しい発想が生まれることはよくあります。

迷ったときには初心に帰ってみると、見えなくなっていたことがはっきり見えるようになるはずです。そのためにもプロットをしっかり作っておきましょう。

※下記の記事にてプロットの作り方を紹介しております。こちらもご覧ください。
【関連記事】
プロットは構成の要! |書き方・作り方、オススメの立て方をご紹介【プロ小説家監修】

方法その2:短期間で一気に仕上げてしまうのがコツ

書きはじめたときは傑作だと思えたストーリーでも、次第に粗が見えてきてしまったり、思い入れのあったはずのキャラクターに関心が持てなくなったりすることがあります。

こうなると書いていても楽しくありません。これは小説家にとって最も不幸なことです。できればこのような状況は避けたいもの。

そうならないためには「なるべく勢いにのって短期間で書き上げる」ことが大切です。

このタイプのスランプから逃れるためには、飽きてきたり嫌気がさしたりする前に、完成にたどり着いてしまうのが有効です。細かい修正を入れたり描写を追加したりといった調整は、書き上げてからでもできます。「まずは完成させる」その気持ちで取り組みましょう。

小説を書くのは時間がかかる作業です。とはいえプロの小説家は、1つの作品にあまり長い時間をかけてもいられません。プロとして生計を立てるには、数週間から1ヶ月から1ヶ月半くらいの期間で長編小説を1冊書き上げるようなスピード感が必要なのです。

しかし、アマチュアや兼業の小説家がこのスピードで書くのは難しいでしょう。仕事や学校があれば、原稿ばかりに集中するわけにもいかないので仕方がありません。

もちろん生活を維持するためにやるべきことをやりながら小説を書くのは、創作の面にもいい影響をあたえます。そういった生活の中から小説のヒントが生まれることは多いものです。

それでも長い時間をかけ、少しずつ執筆を進めていくよりは、なるべく短時間で書き上げるように意識することが大切です。

  • 長編を5回以上仕上げたことがある場合は2ヶ月で
  • 兼業のため、まとまった時間がとりにくい場合、まずは3ヶ月で

上記の期間で書き上げるのを目標に、チャレンジしてみてください。

モチベーションが続かず挫折する前に、勢いに乗って作品を書き終えることに集中しましょう。

方法その3:とにかく最後まで書き上げよう

小説を書くうえで大切なことは、最後まで完成させることです。スランプに陥ると、書いていて不満が出てきてしまい「これは失敗作だ」と、投げやりな気持ちになることも。

しかし、大切なのは失敗作でもなんでも、とにかく完成させることなのです。

当初の予定より、少し短い話になってしまっても大丈夫。物語をしっかりと終わらせましょう。

作品を完成させないまま次の作品に取り掛かることを続けていると、途中で投げ出す悪い癖がついてしまいます。同様に1つの作品を延々と直し続けるのも、小説家としての成長につながり難い行為です。

何が何でも完成させることで、自信がつき、次の作品に向けて改善すべき点も見えていきます。今書いている作品が失敗作のように思えても、最後までしっかり書き上げることが大切なのです。

方法その4:他人の意見は当てにしない!

家族、友人からの小説に対する指摘_スランプ小説|榎本事務所
自分の書いている小説について「本当にこれでいいのか」と迷ってしまうのはよくあることです。作品を書いていて、本当におもしろいのかと心配になり、他人の意見が聞きたくなることも多いのではないでしょうか。

執筆中の作品を誰かに読んでもらって「おもしろい」「続きが読みたい」などとほめてもらえれば、モチベーションアップにもつながりますね。

作品を他者に見せること自体は悪いことではありません。でも、あなたがプロの小説家を目指しているのならば、この方法はあまりオススメできません。

なぜなら、たとえ編集者であっても作品に対して適切な評価をし、アドバイスをするのはとても難しいことだからです。

家族や友人などに小説を読んでもらって、褒められたらうれしいですよね。そう、家族や友人はあなたのことが大好きだから、あなたに喜んで欲しいわけです。頑張って小説を書いた苦労を知っているので、ついその努力込みの評価をしてしまうでしょう。これを客観的な意見とはいえませんよね。

ではまったくの他人であればいいのかというと、それもまた難しいものです。

他人の意見には、その人の好みや価値観などが含まれます。その人がそう思ったからといって、多くの人が同じ意見とも限りません。

プロ小説家をめざすのであれば、他人の意見はあくまで「ただの感想」として受け止めましょう。

それよりも「自分の書きたいもの、いいと思うものを書く」という揺るぎない心構えが必要なのです。

方法その5:ジャガトマ警察に惑わされなくてもいい

小説執筆で起こるスランプ_じゃがトマ警察|榎本事務所
「中世ヨーロッパに、ジャガイモやトマトがあるのはおかしい!」

中世ヨーロッパ風の世界を舞台とした小説を読んで、このように指摘してくる人たちを「ジャガトマ警察」と呼ぶそうです。

たしかに原産地が南米である「ジャガイモやトマト」がヨーロッパに持ち込まれたのは大航海時代になってからのこと。

しかし、中世ヨーロッパ「風」の舞台設定はあくまで「風」なので、ジャガイモやトマトがあってもおかしいとは言い切れませんよね。

実際のヨーロッパとは違うので、ジャガイモやトマト、あるいはそれに似たような植物があったとしても決してまちがいではありません。

それでもこのような指摘を受けたら、モチベーションが下がります。

でも「小説の本分はそこではない」ことを心しておきましょう。小説の本分は魅力的な世界を見せて読者をワクワクさせることです。その世界とキャラクターの行動や判断が結びついていればいいのです。

細かい設定にこだわっても、作品そのものがおもしろくなければ意味がありません。

小説の世界は、作者の自由に作ればいいのです。批判は気にせずおもしろくすることだけを考えましょう。

また、そんな批判を発想のきっかけ作りにする手もあります。

たとえば「本当に中世ヨーロッパにジャガイモがあったとしたら、人口が増えていたかもしれない」と考えてみましょう。

南米原産のジャガイモがヨーロッパに到達した大航海時代。スペイン人によって運ばれてきたジャガイモは、200年かけてヨーロッパ全土に広がりました。ジャガイモの登場によって人々は飢饉から逃れることができたのです。そして人口の増加が進み、歴史の転換に一役買いました。

この事実から「中世のヨーロッパにもしジャガイモがあったら、人口は既に大きく増えていただろうし、社会のあり方も変わっていたかもしれない」と考えられます。

農村から都市部へ流れた人々は都市に集まり、史実とはまったく違う文化を作っていったかもしれません。そうすれば歴史はどのように変わっていたでしょうか。

こういった「もし~だったら」という発想から、新しい物語が生まれるのです。

頼れるプロに相談するのがいちばん!

スランプに陥っているとき、自分一人では解決できず堂々巡りをしてしまうことはよくあります。そんなときはその分野のプロに質問や相談をするのが、いちばんの解決策かもしれません。

創作のプロ、指導のプロなら客観的な意見を聞かせてくれます。それぞれが抱える問題に合わせた解決のノウハウを持っているので、最短で答えが見つかるはず。

プロ小説家ならではの経験から小説を書く人の気持ちを理解し、的確なアドバイスをくれるでしょう。

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スランプ脱出のために少しでも前に進む行動をしよう!

集中力が続かなかったり、モチベーションが上がらなかったり。スランプは執筆をするうえでぶつかりがちな壁です。

それでもコツコツと前に進むことで調子は戻ってきます。頑張って作品を仕上げた達成感が、次の成長へとつなげてくれるはず。いろいろな方法を試して、自分に合った突破方法を見つけていきましょう。


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監修|榎本 秋

1977年東京生。2000年より、IT・歴史系ライターの仕事を始め、専門学校講師・書店でのWEBサイト企画や販売促進に関わったあと、ライトノベル再発見ブームにライター、著者として関わる。2007年に榎本事務所の設立に関与し、以降はプロデューサー、スーパーバイザーとして関わる。専門学校などでの講義経験を元に制作した小説創作指南本は日本一の刊行数を誇っており、自身も本名名義で時代小説を執筆している。

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