榎本メソッド小説講座

プロットは構成の要! |書き方・作り方、オススメの立て方をご紹介【プロ小説家監修】

小説を書くときに、準備したいのが「プロット」です。プロットはいわば「小説の設計図」となるもの。物語を作るためのとても重要なプロセスです。

今回は、小説を書くまえに知っておきたいプロットの書き方・作り方・立て方をご紹介します。

「プロット」は小説を書くときに絶対に必要?

プロット 書き方 作り方 立て方

プロットは、物語について「どんな世界が舞台でどのようなキャラクターが登場し、どうはじまり終わるのか」を書いていくものです。

小説を書くにあたって、プロットを作成せずいきなり書きはじめる小説家もいます。しかしそれが成立するのは、よほどの天才に限ってのことです。ほとんどの小説家はプロットを作り、全体のバランスを整えてから執筆に入ります。

物語の要素をプロットにしておくと、アイデアの整理やバランスをチェックしやすいのです。

また他人に見てもらうのに向いているのもプロットのいいところ。ほとんどのプロ小説家は編集者にプロットを提出します。そしてその作品を書いても大丈夫か相談するのです。プロを目指すなら、ゆくゆく必要になるものなので書き慣れておくといいでしょう。

新人賞に応募するときにも、800文字程度のあらすじを書くことがレギュレーション(規則)の一環になっているケースがほとんどです。編集者や選考者の目にとまりやすいプロット作成の練習をしておきましょう。

小説のプロットを書くなら、「しっかり」「ほどほどに」

プロットの書き方は小説家によって違います。物語のポイントを箇条書きにする人もいれば、細かなセリフまで盛り込んでストーリー展開を作りこむ人も。

物語にしっかりとしたコンセプトを持たせるためには、プロットを細かく作りこむことが大切です。

内容が詳しく決まっていると、本文を書きはじめるときに迷わず進められます。この「迷いがない」という部分は、執筆のスピードに関わるとても重要なポイント。プロ小説家は次々と作品を出すため、効率化できるところはしておきたいのです。

その反面プロットにこだわりすぎるのも考えものです。それだけで満足してしまったり疲れてしまったりすると、作品を書き上げるモチベーションに悪影響を及ぼすことも。ほどほどに、そして簡潔にまとめることを念頭に置いて書きはじめましょう。

新人賞をめざすならプロットはコンパクトにまとめる意識を

あらゆる新人賞では、作品と一緒に「梗概(こうがい)」とよばれる「小説のあらすじ」の提出が求められます。どんなに魅力的な物語だったとしても、相手に伝わらなければ意味をなしません。これをよく理解しておくことが、プロット作りの要だといえます。

自分の作品を誰かに見てもらうためには、概要を簡単にまとめてあるほうが親切です。忙しい選考者や編集者にきちんと目を通してもらうためにも、簡潔にわかりやすく整理しましょう。

そして一番肝心なのが「長々と説明しなくてはならない物語はおもしろくない」ことです。

プロット作りは、少ない文字数でも読者の関心をひくような作品に仕上げるための、いい訓練になります。

まずきちんとした設定を立て、キャラクターの魅力をアピールします。さらにストーリーの盛り上がりやどんでん返しまで入れたいところです。そのうえで400字程度まで簡潔にまとめる挑戦をしてみましょう。

プロットの書き方・作り方その1「アイデアをひたすら出す」

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プロット作りは頭のなかにある物語の要素を形にしていく作業です。そのための具体的な方法を2つご紹介しましょう。

1つ目は、思いついたアイデアをどんどん書いていく方法です。キャラクター、世界設定、エピソード、セリフなど、思いついたアイデアを箇条書きで並べます。この段階ではまだはっきりとしたアイデアでなくともかまいません。

たとえば「アクションシーンは何回あった方がいいか」「恋愛要素を入れたほうがいいか」などのアイデアがあるとします。そこから派生するセリフやシーンなどは、矢印を使って関係性がわかるように書き込んでいきましょう。

一般的にプロットはパソコンのワードソフトを使ったりノートに書き込んだりするものですが、さらにオススメな方法を2つご紹介します。

カードに書いて並べ替える方法

アイデアをカードに記入するというやり方が便利です。バラバラのカードに書いておくと、後から順番を組み替えたり、関連性にもとづいて仕分けをしたりできます。なかなかアイデアが組み立てられず悩んでいるときには、とくに効果的な方法です。

表計算ソフトを使う方法

もう一つはExcelのような表計算ソフトを使う方法です。やり方はカードとほとんど同じ。1アイデアを1つのセルに書き込んでいきます。こちらも簡単に組み換えをできるのがポイントです。そのうえアイデアと一緒に日付や分類(キャラ、セリフ、設定など)を横のセルに書いて、並べ替え、整えていきましょう。

プロットの書き方・作り方その2「物語の背骨に肉をつける」

ある程度、頭の中で物語が浮かんでいるときに有効なのが「物語」に背骨を通し、肉付けしていく方法です。

小説はいくつものエピソードが複雑に絡み合って作られるもの。それでも物語の枝葉部分を取り払ってみると、シンプルな一文が残ります。

「人物」が「行動」して「結果」になる

これが物語の背骨なのです。物語のテーマを読者に伝えるための一番重要な部分だといえるでしょう。この一文を決めたうえで、その背骨に必要な「肉」を付け足していきます。

登場人物の目的や、主人公が遭遇する事件、葛藤、対立、成長などの変化は「肉」となる部分です。これを背骨に付けていくことで、作品自体のテーマを見失なわず、物語を構築できます。

アイデアを羅列するやり方も、物語の背骨に肉付けしていく方法も、プロットを作るときに、まず試してみたい方法です。そのうえで自分に合ったやり方を見つけていくのがいいでしょう。

プロットの文字数を段階的に増やす練習をしよう

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プロットを書くときに迷いやすいのが文字数です。一体どのくらいの分量で書くべきなのでしょうか。

小説の技術をレベルアップさせたいなら「プロットをさまざまな文字数で書き分けること」や「段階的に文字数を増やすことで物語を育てていく方法」が有効です。

200文字~1,600文字まで、それぞれの文字数でプロットをまとめてみましょう。大幅な過不足がなければ、その文字数ピッタリでなくとも大体でOK。文字数を徐々に増やしながらプロットの練習をしていきます。

まず200文字にまとめてみよう!

物語を作るときに最初の一歩として最適なのが200文字のプロットです。「たくさん作ってみてその中からいい作品になりそうなものを次の段階に進めていく」そんな方法もあります。

少ない文字数でまとめるのは難しい作業ですが、物語にとって「どの要素が大切なのか」が見えてくるのもメリットの1つです。

短い文字数にまとめようとすると、ストーリーのスケールが小さくなってしまうことも。この部分はデメリットなので、注意しましょう。

キャラクター名などの固有名詞は省略してもOK。物語のアピールポイントを含めて、はじめから終わりまできちんと入っているのが理想です。物語の最後まで書ききれなかったとしても「最も重要な部分」「読者の興味をひきそうな部分」をしっかり入れて完成させましょう。

難易度高め!400文字のプロットに挑戦

ほかの文字数と比較して難易度が高いのは「400文字のプロット」です。しかし物語全体を入れるのには最適な文字数でもあります。必要な要素をしっかり盛り込むことに挑戦しましょう。

400文字にまとめるには重要なポイントを拾い上げる作業が必要です。テーマを見極め、それに関わるエピソードを正確に選び、つなげる力がつきます。また作品のバランスがとれているかどうかの指標にもなります。

400字にまとめるのが難しいと感じる方は、既存の作品を400文字のあらすじにしてみるのもオススメです。物語のバランスを理解するための練習になります。

新人賞に必要なあらすじの多くは800文字

800文字のプロットでは、キャラクターの名前などの固有名詞もしっかり入れつつ話を広げていきたいところです。サブキャラクターを登場させて膨らみをもたせることもできます。

他人が読んだときに疑問を抱かせないように、設定や情報を詳しく入れるのも大切になってきます。主人公の成長や物語を貫く陰謀などの大切な部分についても、詳細を書き込んでいきましょう。

1600文字程度のプロットにまとまらないなら再考の余地アリ

1,600文字程度でまとめられない場合は、ストーリーが複雑化しているのかもしれません。注意して見直しましょう。無意味に話を膨らませすぎてはいないでしょうか。

1,600文字でプロットを書くことは、物語のテーマについて再考するための指針になるのです。

プロットをうまく書けない場合は箇条書きにしてみよう

どうしてもプロットが書けない場合は、文字数を気にせず箇条書きで書き出してみるのもいいでしょう。物語をシーンごとに、はじめから終わりまで羅列してみるのです。

頭の中にあることを一度すべて出すことで、解決の糸口がつかめることもあります。頭の中に浮かんだ事柄を言葉にして、その言葉から発想を広げ、まとめてみましょう。

プロットは、小説を構成する上での「要」

ほとんどの小説家がプロットを作り、アイデアをさらに練って、全体のバランスを取ったうえで、作品を書きはじめています。一見手間がかかることのように思えますが、実はそれが一番効率的な方法なのです。

プロットをしっかり考えて、簡潔にまとめる練習をしておけば、いざ新人賞に応募するときにも役立ちます。


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監修|榎本 秋

1977年東京生。2000年より、IT・歴史系ライターの仕事を始め、専門学校講師・書店でのWEBサイト企画や販売促進に関わったあと、ライトノベル再発見ブームにライター、著者として関わる。2007年に榎本事務所の設立に関与し、以降はプロデューサー、スーパーバイザーとして関わる。専門学校などでの講義経験を元に制作した小説創作指南本は日本一の刊行数を誇っており、自身も本名名義で時代小説を執筆している。

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