小説家としてデビューするには、新人賞に入賞するだけではなくWeb小説やスカウトなど、さまざまな道筋があります。
ここでは、「小説家に向いているのはどんなタイプの人なのか」や「兼業・専業小説家の執筆の進め方」さらに「小説家の仕事内容」など、「小説家になるために必要なこと」をまるごとご紹介。
デビューまでの道筋から、出版にいたるまで、小説家になるにはどうすればいいの? の疑問を総合的に解消していきます。
※小説家になるにはどうすればいいの?具体的な方法は以下の記事をご覧ください
小説家になるには? 必要な能力や強化方法
※小説の書き方って何からはじめればいいの?という方は以下の記事をご覧ください
小説の書き方【初心者必見】はじめの一歩から完成まで
目次
小説家としてデビューする方法はいくつかあります。それぞれ特徴があるので自分にピッタリのものを選び、デビューを目指しましょう。
※小説家になるための学校を探している方は以下の記事も参考にしてみてください
小説を学ぶなら専門学校、大学、講座どこがいい? プロが徹底比較
オーソドックスなのが新人賞からのデビューです。各出版社やレーベルが主催する大賞に作品を投稿し、入賞を目指しましょう。新人賞だけでなく、何らかの賞を受賞できれば、小説家への道は切り開けます。
たとえ賞がとれなくとも、審査員(編集者)の目に止まれば「編集付き」となり、担当編集と一緒にデビューを目指すことも可能です。プロットの段階からプロのアドバイスを受けられるのは大きなメリットでしょう。
応募する賞によって異なりますが一般的なのは、一次、二次、最終と三段階によって選考されるパターンです。大きい賞になると選考段階が増えることもあります。各段階ごとに審査員が変わり、一次はライターや新人作家、最終選考は大御所の小説家や評論家などが担当します。
どの新人賞でも応募するときは、賞ごとに決められた応募形態を必ず確認しましょう。
これらは賞によって異なります。各出版社、レーベルの応募要項を確認し、それに合ったレイアウトで提出しなければなりません。
応募要項は各出版社のホームページで確認できますが、応募可能な賞をチェックするのは大変です。どんな出版社やレーベルがあって、どんな賞があるのかわからない……という方は、現在募集している賞や締切を掲載しているサイトから探してみましょう。
また多くの賞で必須事項になっているのが「未発表作品に限る」です。つまり、Web小説への投稿や同人誌など、すでに発表している作品は応募できません。新人賞を狙うのであれば、他の場所で作品を発表しないように注意しましょう。
※新人賞にチャレンジしてみようという方は、ぜひ以下の記事も参考に、準備してください!
新人賞突破法|一次選考に通らない! がなくなる方法
あなたの作品はどのレーベルでデビューを狙える? 小説ジャンルの種類と特徴、総まとめ
小説の賞に応募する原稿の書き方|新人賞のルール・マナーとは?
出版社への持ち込みはテレビや映画などでよく描写される、マンガ原稿の小説版です。書きあがった小説を出版社に持ち込み、編集者に読んでもらいます。
まず、持ち込みたい出版社を決め、書籍の編集を行なっている編集者にアポイントをとる必要があります。ただし、小説は漫画と違い読むのに時間がかかるため、持ち込みを受け付けている出版社はほとんどありません。
稀に募集をしていることがあるので、その際はぜひチャレンジしてみましょう。編集者から直接お話を聞けるチャンスです。
「持ち込みをしてみたい!」という方は榎本メソッド小説講座-Online-の「研修生制度」をご検討ください。
講座内の「長編講評コース」を受講していただき、基準を満たした際に榎本事務所がその作品を持ち込みします。
通常の持ち込みは、紹介状があっても読んでもらえないことがありますが、この「研修生制度」では、榎本事務所と信用関係のある編集部に持ち込めるのです。信用関係があるからこそ、「しっかりと読んでもらえる」紹介・持ち込みが可能!
これは数多くの執筆指南書の出版を行い、小説家デビューを支援している榎本事務所だからこそ実現できるものです。詳細を知りたい方は「研修生制度」をご確認ください。
スカウトされてデビューする方法もありますが、簡単なものではありません。
同人誌やWeb小説への投稿を続け、それが編集者の目にとまるまでひたすら待つのです。
編集者がこれぞ、と思った作品を加筆修正してデビュー作とする場合もあれば、新作を執筆するパターンも。どちらにせよ、編集者とともに協力してでデビューを目指します。完全に受け身のルートなので、早くデビューしたいならば、新人賞を検討するのがいいでしょう。
現在、インターネット上には多数の小説投稿サイトが存在し、誰もが作品を投稿・閲覧できます。ガラケー時代に流行った携帯小説の進化版といったところでしょうか。
代表的なものといえばKADOKAWA × はてなによる小説投稿サイト「カクヨム」、そして日本最大級の小説投稿サイト「小説家になろう」が挙げられます。
小説投稿サイトからデビューし、書籍化された作品は数えきれないほど。何らかの賞を受賞してからデビューするより簡単では? と思いがちですが、そうとは言えないのが現状です。
競争相手が少なかった黎明期ならともかく、今は数多くの書き手による熾烈な争いがWeb上で繰り広げられているため、新人賞並に難関といえるでしょう。ちなみに「小説家になろう」の投稿数は現在78万以上。この中からデビューするには、抜きん出たおもしろさを発揮しなくてはなりません。
また、Web小説サイトと新人賞では、作品の発表形態も評価する人も違います。新人賞では文庫本一冊分の長編をキッチリと書き上げ、その中で物語のおもしろさやキャラクターの魅力を伝えます。一方投稿サイトでは1話ごとの投稿になるため、飽きずに読ませるおもしろさが必要です。
さらに、作品の面白さや人気を決めるのはプロではなく、一般の読者であることも忘れずに。読者が読みたいと思う内容にしなければ、評価されることなく埋もれてしまいます。インパクトのあるタイトルやストーリー構成を考え、その時の流行に合ったものを定期的に投稿する必要があるのです。
また、1話ごとにレビューがつくので、批判されても折れない心を持つことも重要になります。
自分の書きたいものを書くだけでは、小説投稿サイトからのデビューは見込めないでしょう。大切なのは今流行っているものを意識すること。サイト内でランクインしている作品のタグを確認し、移り変わりの早い「流行」を掴みましょう。
そして、投稿サイト内で注目され、人気を獲得するためには定期的に更新することが非常に重要です。なかなか続きが出ない作品は途中で閲覧をやめる人もいます。できれば毎日更新できるように努めましょう。
コツ1:流行を意識!
コツ2:毎日更新!
小説家になりたいけれど、本当にやっていけるのかな。そもそも自分は小説家に向いているのだろうか。とお悩みの方に向けて、ここでは小説家に向いている人のタイプや、持つべき心構えと身に付けたいスキルをご紹介します。
職業としての小説家は、多くの人が想像するような「芸術的な仕事」ばかりではありません。商業流通のなかで依頼を受けて仕事をして報酬をもらうのですから、それなりの心構えが必要になります。
特にエンタメ小説のジャンルでは、芸術家というよりむしろ「職人」であることが求められる場面も多いでしょう。そういった意味で、小説家に向いているのは以下のタイプの人だといえます。
小説家は、作品が売れないことには職業として成り立ちません。「自己実現」よりも「読者の読みたいものは何か、どうしたら楽しんでもらえるか」が小説家に必要な視点です。
いい作品を作れる人は、読者をびっくりさせたい、楽しませたい、というサービス精神を持って創作にあたれる人でしょう。
誰しも得意不得意はあるものですが、自分のこだわりや好みが強すぎて、テーマを選り好みしてしまうようでは問題です。
「作品に必要な要素は何か」という視点で、苦手なジャンルやテーマにも挑戦するような好奇心を持っている人は、多彩な魅力を持った作品づくりができます。
小説を書く上で「読者目線」はとても大切にすべき視点です。しかし読んだ人の感想に引っ張られて、作風をコロコロ変えてしまうのも考えもの。プロの現場でやっていくには「作家性」が不可欠です。小説家自身のブレない個性も大切にしていかなければなりません。
作品が全然売れない、締め切りに間に合わない。これらはプロの小説家としてあってはならないことです。商業流通のルートに乗るからには、プロとしての責任を意識しなければなりません。
何としてでも品質のいい作品を書き上げるんだ! という責任感がなければ、仕事は来なくなってしまいます。
長編小説を書きあげるには、気が遠くなるほど多くの時間が掛かります。一度書き始めた作品を最後まで完成させるには、結局のところ「根性」がいるものです。
短気な人でも、書き続けることが当たり前になるように環境を整えていくことで習慣を作り、作業を根気よく続けられる工夫をしましょう。
多くの創作を発表していると、どうしても他人に否定されることや、イメージ通りに書けないようなトラブルが発生するものです。
これらの「ツラい思い」を肥やしにして、もっと面白いものを書いてやろう、作品の品質をどんどん上げてやろう、という負けん気の強さ、立ち直りの早さは小説家にとって重要なのです。
※小説家に必要な心構えについて、詳しくは以下の記事をご覧ください
小説家に大事な視点と4つの心構え
読者に伝わりやすい文章を書けるのは、小説家の「大前提」スキルです。さらにクオリティーの高い作品を書くためには、読者をぐいぐいと物語の中に引き込んでいく構成力、多彩なアイディアを思い付く発想力、共感させ心を動かす表現力など、複合的なスキルも必要になります。
初心者のうちはなかなか意識することが難しいかもしれませんが、構成力・発想力・表現力などの、小説を作り出す力「創作力」は、テンプレートに沿った練習でも鍛えられます。
※創作力を鍛えるには、以下の記事で取り上げた方法で練習するのがオススメです。
発想力・構成力・創作力が上がる1日30分のワーク
初心者でも小説がすぐ書ける5つのテンプレート
誰にとっても身近な職業、というわけではない「小説家」。一体どんなスケジュールでどんな風に仕事をしているのでしょうか。小説家の生活を少しだけ覗いてみましょう。
当サイトが行ったアンケートによると、専業小説家は仕事場にいる日中の時間帯、兼業小説家は別の仕事がひと段落する夜間を執筆の時間にあてている人が多いようです。
執筆にあてる時間は、専業では6時間以上の人も。兼業では30~1時間半という人が多く、それぞれに工夫して執筆時間を捻出しています。
作品を書き上げるのに掛かる時間は、短編で1~2週間から長い人で1ヶ月。長編の場合は3ヶ月から1~2年と、いずれも執筆には根気が必要です。
自分にとって一番効率のいい時間配分を考えるのも、小説家として大切なことなんですね。
※小説家の作業環境や生活など、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください
集中しやすい執筆・作業環境の作り方
小説が出版されて読者の手元に届くまでには、いくつもの工程があります。当然そこには多くの人が関わっています。小説家の仕事がどのポジションにあり、前後にどんな仕事があるのかは、プロになるなら知っておきたい部分です。
まず「企画」を立てます。ここで関わるのは編集者と出版社です。編集者が企画を考え、出版社でGOサインが出てはじめて出版に向けた調整が始まります。小説家はここでプロットを作成し、企画が通れば執筆を開始します。
執筆が終わると、校正(チェック)が入ります。ここで関わるのは編集者や校正者、校閲者です。原稿が校了すると(並行して進めるケースもあります)、イラスト・挿画・デザインに移ります。「どんな表紙にするのか」「挿絵はどのページに入れるか」など、イラストレーター、デザイナーと打ち合わせを行いながら決めます。
そして印刷を経て、いよいよ販売です。出版社営業、取次業者、販売店などを巻き込んで、ようやく小説が店頭に並びます。
小説が読者の手に渡るまでには、多くの段階があり、たくさんの人が関わっているのです。決して、「小説家は孤独な商売」というわけではありませんね。
※小説出版の裏側について、詳しくは以下の記事をご覧ください。それぞれの段階で「小説家の仕事に何が求められているか」がよくわかります
小説出版の裏側|編集者との関係と本が出版されるまでの流れを紹介
小説は感性がすべてなのだから、他人に教えてもらう必要なんてないんだ! という考え方の方もいるかもしれません。しかし商業的な意味で「いい小説」とは、多くの人が楽しんで読んでくれる小説なのではないでしょうか。
自己実現だけが目的になってしまった独りよがりな作品では、誰にも読んでもらえず、プロの小説家の作品とはいえません。独学で小説家になることはもちろん可能ではありますが、そのためには、客観的な「読者視点」と「編集者視点」を持たないと難しいでしょう。
ここでは独学で小説の勉強をする注意点やコツなどをご紹介します。
あなたが小説投稿サイトや同人誌活動などで、すでに多くのファンを獲得している、あるいは新人賞の選考を通過しているのであれば独学でもデビューできる可能性はあります。
しかし、ゼロからのスタートなら小説を完成させる行為自体が難しく、頓挫する可能性も高いでしょう。
また、小説が完成したとしても、プロでない人の意見や感想は主観的であることも多く、執筆の参考にならないケースが大半です。
指導者のいない創作サークル(同人誌活動)や投稿サイトで行われる感想のやり取りだけでは、小説を書き上げ、それをブラッシュアップしていくだけの実力をつけるのは難しいことかもしれません。独学で小説家を目指すのは、至難の業です。それでもやってみたいという方は以下の項目を参照して、頑張ってみてください!
独学で小説を書き上げるコツは、まず出版されている小説創作の指南本から学ぶことです。できれば著者が異なる本を3冊くらい読み、共通のポイントを見つけ、そこに注意して創作活動を行いましょう。
次に重要なのは、小説を読むことです。名作やメディアミックスされた原作、受賞作からは、物語の書き方や小説ならではのお約束、読みやすさなどが学べます。
小説家としてデビューする方法をご紹介してきましたが、いざ小説を書こうと思っても、すんなりと書けない! という方も多いのではないでしょうか? そんな方は専門学校などで小説の書き方を学ぶというのも一つの手です。
その道のプロから直接指導してもらえる専門学校や講座に通ってみるのもオススメです。プロだからわかるストーリー作りのコツや考え方、プロ目線からの指導など、小説を書くのに必要な力が身につきます。小説家になるための基本的な知識が手に入るのも大きなポイントです。
また、小説家志望の同志と出会い、技術を高め合えることもメリットといえます。
小説家デビューのための講座やスクール選びのポイントは、まず在籍している講師のタイプを確認すること。プロの小説家が教鞭をとっているのか、書籍編集経験のある人が授業を行なっているのかは最初に確認したいところです。また授業内容やどんなことが学習、吸収できるのかをリサーチし、自分に足りない知識が補える講座を選びましょう。
提出した課題や執筆中の文章をきちんと見て指導してくれるのかも忘れずに。筆が止まったときに個別指導が受けられる講座・専門学校がベストです。
point1:在籍している講師陣が「プロの小説家」「編集者」である!
point2:自分に足りない知識を補える授業内容かどうかをチェック!
point3:課題や文章をきちんと読んで講評してくれるサービスかどうか!
※小説講座の選び方をもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください
小説の添削講座をおすすめしない理由
専門学校なら初年度納入金でおよそ90~150万円程度。小説講座なら一回数千円~で学べるものから、月謝数万円~など料金設定はさまざまです。
専門学校と比較すると費用面で敷居が低く受講期間などの拘束時間がないため、小説講座は社会人が小説の書き方について学ぶのに最適といえます。
小説家は要件を満たせば必ずなれる職業というわけではありません。常に腕を磨き、挑戦し続けなければならない茨の道。
やみくもに書き続けるよりも、プロのアドバイスを取り入れて、応募する新人賞により適した作品を書く方が効率もいいはずです。
新人賞突破を目指して、的を絞った勉強をはじめたいなら、現役で活躍するプロ小説家、編集者による指導がオススメ。商業出版を意識した指導は、デビューへの近道となるでしょう。
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監修|榎本 秋
1977年東京生。2000年より、IT・歴史系ライターの仕事を始め、専門学校講師・書店でのWEBサイト企画や販売促進に関わったあと、ライトノベル再発見ブームにライター、著者として関わる。2007年に榎本事務所の設立に関与し、以降はプロデューサー、スーパーバイザーとして関わる。専門学校などでの講義経験を元に制作した小説創作指南本は日本一の刊行数を誇っており、自身も本名名義で時代小説を執筆している。
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