小説を書きたいけれど何からはじめればいいのかわからない……
初心者のうちはなかなか筆が進まなかったり、途中で何が書きたいのかわからなくて挫折したりする方は多いもの。
頭の中に浮かぶ物語のアイディアを小説として形にするためには、小説の書き方(プロセス)を知っておくとスムーズです。
ここでは小説を書き始める前から書き終えた後の見直しまで、手順に沿ってポイントをご紹介しています。小説を書き上げたことのない初心者から、もっとステップアップしたい中級者の方まで参考にしていただける内容ですので、ぜひ確認してくださいね!
カンタンにプロットが作れるテンプレート、書き上げた小説の見直しに使えるチェックリストもこのページからダウンロードできます(無料)ぜひ創作にお役立てください。
目次
頭の中に浮かんだシーンの断片を物語としてまとめるためには、少々コツが必要です。いきなり原稿に向かう方もいますが「途中でアイディアにつまる」「何が書きたかったのかわからなくなる」というのは初心者にもっともありがちなこと。
せっかく小説を書くのなら、最後まで完成させましょう。そのためには「書きはじめる前に」やっておいた方がいいことがあります。
まず上記3つを行って、大まかな方向性を決めておきましょう。それぞれのポイントを詳しくご説明します。
小説のネタは、案外、日常の中に転がっているものです。何が創作のヒントになるかわからないので、気になったことはノートやスマホのメモ機能などに書き留めておきましょう。ここではアイディアノート(ネタ帳)の作り方の一例をご紹介します。
思い付いたことはとにかく書くように意識しましょう。それと同時に、気になったことや疑問に感じたことについても書いてください。その際、日付を書くようにするとどんな状況で思い付いたことなのかを後で思い出すキッカケになります。アイディアの整理に役立つので日付の記入は忘れずに。
ついつい忘れてしまいがちな方は「日記」を付けるのもいいでしょう。寝る前の習慣にしてしまえば「毎日ものを書く」ことの訓練にもなります。
「なんでだろう?」「どういう仕組みになっているんだろう?」などの疑問は、忘れないうちに必ず調べて、解決しておきましょう。そこからテーマが決まることもあれば、エピソードとして取り入れることも可能です。疑問はスルーせず積極的に解消し、メモに残しておきましょう。
書きためたアイディアは、定期的にジャンル分けをするのがおすすめです。ジャンル別にノートを用意して、貯まったアイディアをそれぞれのノートに書き写していきます。
ジャンルというのは「恋愛」「ミステリー」「SF」「歴史」などです。このように言うと「恋愛ものは書かないからいいや」と思う方がいるかもしれません。しかしどんな小説を書いていても、恋愛的な要素、ミステリー的な要素を絡ませることはありますし、そうした方が面白くなるケースは多いもの。好き嫌いせず、幅広いジャンルのノートを作ってみましょう。
このとき、ノートには余白を残すことを忘れないでください。後から関連情報を追加していくときのためにスペースは必要です。
※アイディアノートの作り方について詳しくは以下の記事をご覧ください
アイディアノートの作り方
小説のジャンルについて知っておくことは、創作をスムーズに進めるためにとても大切です。
自分が書きたいジャンルをよく調べておくと、そのジャンルの「お約束」や「王道パターン」が身に付きます。各ジャンルの読者が求めているものを知るのは重要なヒントになるうえ、ジャンル特有の作法を知ることで、定番を逆手に取って意外な展開を作ることも可能になるのです。
自分の書きたいものはどのジャンルなのかを決め、そのジャンルを知ってから書きはじめましょう。ここでいう「ジャンル」には2種類のものがあり、以下の視点で分類されます。
それぞれの「ジャンル」について簡単にご説明します。
作品の方向性や、物語に登場する要素によって分類されたものです。「ファンタジー小説」「ミステリー小説」「現代社会もの」「冒険小説」などのジャンルに分かれます。
魔法使いの物語が書きたいならファンタジーかな? 主人公が難事件を解決する様子を書きたいならミステリーかな? と決め、自分の書きたいジャンルの傾向を調べて、参考にしましょう。
どんな人に読んで欲しいのかを考え「読者の属性」でジャンルを分類する方法もあります。これは「出版社(新書・文庫)」「レーベルのカラー」によって決まるものです。
主に「ライトノベル」「ライト文芸」「少女小説」「児童文学」「児童文庫」「エンターテインメント小説」「純文学」などに分かれます。
ゆくゆく小説家デビューを目指すなら、応募する新人賞の傾向や、賞を主催するレーベルの研究をする必要が出てきます。どんなに素晴らしい作品でも、その傾向やカラーが主催レーベルの求めるものと合致しなければ、受賞は難しいからです。
せっかく小説を書くのなら、ジャンル区分については最初から意識しておいて損はないでしょう。
※小説のジャンルについてそれぞれの傾向を詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください
小説ジャンルの種類と特徴、総まとめ
いざ書きはじめたけれど、話が膨らまない!
書きたいシーンを全部入れたら長くなってしまった!
計画を立てずに書かれた小説は、残念ながらメリハリがなく中途半端な仕上がりになることがほとんどです。自分の書きたいものは短編・掌編(ショートショート)・長編、どれが相応しいのかを決めてから書き始めましょう。
初心者にとって大切なのは「最後まで書ききる経験」です。いきなり長編小説を書き始めるのは難しく、途中で挫折してしまい筆を折る……それは非常にもったいないこと。
執筆経験がないのであれば、文字数の少ない小説から初めて「物語をはじめから最後まで書ききる」経験を積みましょう。完成してはじめて、小説としての面白さはどうか、盛り上がる部分と静かに読ませる部分の割合が上手く配置できているか、などの改善点が見つかるものです。上達のためには、まず書ききれる長さの作品にチャレンジするのが良いでしょう。
初めて小説を書く人におすすめなのが「掌編小説(ショートショート)」です。文字数が少ないため、書く時間も読み直す労力もそれほどかかりません。手始めに掌編を書いて、客観的に自分の文章を読んでみると、とても勉強になります。
慣れてきたら、短編、連作短編と文章量を多くしていくと書き上げることに慣れてきます。自信がついてきたところで、いよいよ長編にチャレンジ! という流れにすると、無理なく続けられる方が多いのではないでしょうか。
※掌編小説を書くときのコツについては以下の記事をご覧ください
掌編小説の書き方
※短編小説/連作短編を書くときのコツについては以下の記事をごらんください
短編小説の書き方
長編小説を書くときは、いきなり書き始めずプロット(物語の設計図のようなもの)を作りましょう。文章量が多いため、ついつい話が本筋からズレてしまったときに、後から軌道修正するのは時間がかかります。書き直しているうちにゴールを見失ってしまうことも多いので、最初に物語のプロットをしっかり作っておきましょう。
書き続けていくと、どうしても筆が進まず躓いてしまうことがあります。そのような場合はそこで筆を止めてしまわず、一旦箇条書きなどでメモを残して先に進みましょう。途中でストップしてしまうとモチベーションが続かず、そのまま未完成でやめてしまうことに繋がります。書ける部分をどんどん進めていくのが、長い文章を書き上げるコツです。
また、慣れないうちはメインキャラクターの数を絞ることも意識してみてください。メインキャラクターが多すぎると、それぞれのエピソードを丁寧に書けなかったり、キャラクターの性格・属性などがしっかり書き分けられなかったりするもとになりがちです。
逆にキャラクターが少なすぎるとストーリーが単調になりやすく、読者の関心を引き続けるための「読ませる技術」が必要になり難易度は上がります。
小説を発表するのはどこなのか、というのも書きはじめる前に確認しておきたい部分です。ジャンル分けと同様に、媒体によってそれぞれの特徴があり、ターゲットもさまざま。書籍になる文体とWeb上でウケの良い文体は異なる場合が多いので、発表の場をどこにするのかも考えて、媒体に合わせたテイストで書けるようにしておきたいものです。
一般的な新人賞は、書籍にすることを前提として作品を募集しています。書籍化を前提とした小説の書き方には「基本ルール」があるものです。基本的な文章や、縦書き原稿ならではのルールを知ることは、小説を書くための第一歩。ぜひ「縦書き原稿のルール」は意識しておきましょう。
縦書き原稿のルール
※小説の基本的なルールについて詳しく学ぶなら以下の記事がおすすめです
原稿執筆の基本ルール
インターネット上には多数の小説投稿サイトが存在します。気軽に作品を投稿・閲覧できるので、Webサイトでの発表を考えている方も多いかもしれませんね。小説投稿サイト「カクヨム」や「小説家になろう」が代表格です。
書けたらすぐに発表できるため、あわよくばそこで人気が出て書籍化するかも、と目論む作者さんは多いものです。しかしWeb上では、数多くの書き手による熾烈な争いが繰り広げられています。そこで誰かの目にとまり、拡散され、人気作品として成功するのは新人賞並に難しいといえるでしょう。
またWeb小説サイトと新人賞では、好まれる作品や評価する人の属性にも違いがあります。小説家としてやっていきたいのであれば、まずは書籍のルールに慣れておくことをおすすめします。
※それでもWeb小説で人気を集めるコツが知りたい! という方は以下の記事を参考にしてください
Web小説からの小説家デビューの方法
いよいよ小説を書く段階に進みます。今回の小説はどのようなテーマにしたいのか、読者にどのような気分になって欲しいのかを考えていきましょう。
「自分の想定している読者はこのテーマを喜んでくれるか」を念頭において、テーマを決めていくのが大きなポイントです。
ターゲットを高年齢層(社会人・大学生など)に絞った作品なら、社会問題などの難しいテーマでも受け入れられる傾向があります。しかし低年齢層(中高生など)の読者にとっては理解しづらく、つまらない小説だと思われる可能性は高いでしょう。それぞれの関心事に合わせたテーマを選ぶよう意識してください。
低年齢層に向けて、社会派のテーマで小説を書きたい場合は、「寓話」スタイルで物語を噛み砕いて、読者が理解しやすいように説明する方法もあります。大人が読めば深く考察できて、子どもが読んでもわかりやすく面白い作品というのは、ヒット作によく見られる傾向ですね。
ターゲットを定めればどんな文章でどんなテーマの物語にするのかという大きな枠組みが決まります。しっかり考えてから執筆にかかりましょう。
※ターゲットの決め方について詳しくは以下の記事をご参照ください
小説のターゲット設定・ウリとキャッチコピー
「テーマ」は小説を書くときにもっとも大切な要素となります。まさに小説の「核」の部分なのです。
「テーマ」が曖昧だと「何を伝えたいのかわからない」作品になり、読後の満足感を読者に与えられません。読み手に伝わり、印象に残る作品づくりを意識しましょう。
小説のテーマを決める方法には以下のものがあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
自分が書きたいもの(キャラクター、エピソード、世界観)を考え、そのテーマが魅力的になるような要素を集めて並べる方法です。
「書きたい」から想像を広げていき、テーマを導き出すのは、作者のモチベーション維持にも有効です。書きたいことがたくさんある方にぴったりな方法ですね。
「友情」「努力」「愛情」「平和」「信念」「決意」「絆」「冒険」「試練」
上記のような広い概念をテーマにする方法もあります。しかしあまりに一般的なテーマでは物語の核としては弱い(具体的でない)ことも。
そこで、この一般的な概念から発想を広げていき、より具体的なテーマにしていく必要があります。
【友情】であれば「どのような形の友情なのか」「その友情を通して何を書きたいのか」など、1つの概念を掘り下げて考えることでテーマ(物語の核)ができます。
※小説のテーマの考え方についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください
テーマから小説の設定を決める方法
小説に出てくる主要登場人物の「目的・役割」をしっかりと決めておきましょう。明確に設定することで「誰の物語」なのか、物語の視点が定まります。
キャラクターの人物像を定めておくと「この人はこう考えるはず」「そういう場面でこういう行動をとるはず」といった人物像が見えてくるもの。キャラクターにリアリティが生まれるうえ、そこからエピソードが広がることも多いので、細かく設定することをおすすめします。
「ポジション」「性格」「職業(立場)」3つの要素からキャラクターの人物像を設定していきましょう。
その人物の物語上のポジションはなんでしょう。物語の中でどんな位置にいる存在でしょうか。(主人公・ヒロイン・ライバル・仲間・黒幕など)
人間が行動するにあたって大きな影響を与える「性格」を設定しましょう。(熱血漢・クールな理知派・ニヒルな皮肉屋など)
職業、立場、社会的な立ち位置、どのグループに属するのかを決めると、行動原理のヒントになります。
登場人物の「架空の履歴書を書く」ことで、詳細設定を掘り下げる方法も有効です。物語の中心となるキャラクターの分だけでも考えておきましょう。
上記のように細かい嗜好を設定し、キャラクターの性格を作る要素を作り、人物像を固めていきましょう。「これが好きならこんなタイプなんなんだろうな」と発想をひろげていくことでよりリアルな人間に近づいていきます。
多くの人は「行動の目的がはっきりし、筋が通っている」キャラクターに好感を抱く傾向があります。
キャラクターの信念・信条・方針(大切にするもの、目的、譲れないもの、どんなことに喜怒哀楽を感じるのかなど)を細かく設定することは、愛されるキャラクターづくりの重要なポイントです。
キャラクターに「動機」を持たせ、キャラクターを動かす原動力(行動原理)は何なのかを設定し、リアリティを与えましょう。
※キャラクター、人物設定の掘り下げ方についてより深く知りたい方は以下の記事をご覧ください
キャラクター設定の作り方
ここでいう世界観とは、物語の舞台となる世界のことです。キャラクターとストーリーが活かせる世界設定を考えましょう。
キャラクターたちの言動に説得力を持たせ、読者の共感を引き出し、物語に引き込むためには魅力的で矛盾のない設定が必要です。
小説の世界観には「歴史小説」や「SF小説」「現代もの」か「異世界もの」かなど、さまざまな種類があります。
たとえファンタジーやホラーのようなジャンルであっても、「リアリティーのある設定」を用意するようにしましょう。
そのために考えておきたいのは、以下のような実現の具体性です。
舞台が異世界であっても現実の社会の決まりに則した設定にすることで、ファンタジックな要素にもリアリティーが生まれます。
※小説の世界設定について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください
世界観の設定と作り方
プロットは「小説の設計図」です。物語を作るためのとても重要なプロセスなので、しっかり作ってから小説を書きはじめましょう。
物語のアイディアをプロットに書き込んでいくと、どの要素が薄いのか、どの要素が多すぎるのかが明確になります。特に長編を書く前には、全体のバランスを取っておくことが重要です。後から大幅な変更をする可能性も低くなるので、プロットは書けるようになっておきましょう。
プロットには何を書けばいい?
プロットに入れるべき要素は以下です。
小説はいくつものエピソードを重ねて作られるものです。どんなに魅力的なエピソードを重ねても、土台がしっかりしていないと、良い作品にはなりません。物語を作るときのプロセスを単純に表すと以下のようになります。
「人物」が「行動」して「結果」になる。このシンプルな構造が【背骨】の部分です。最初に背骨を作っておくことで作品自体のテーマを見失わず、物語を構築できます。
【肉】とは、登場人物の目的や、主人公が遭遇する事件、葛藤、対立、成長といった「変化」のエピソード部分のこと。背骨に重ねていくことで、物語は形になります。
※プロットの作り方について詳細な手順を知りたい方は以下の記事をご覧ください
プロットの書き方、構成の作り方を学ぼう
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準備段階が終わり、ようやく執筆に入ります。執筆する際に意識したいのは、物語の視点、地の文とセリフの割合など、文体のバランスです。それぞれのポイントをみていきましょう。
小説の「人称」には、小説の流れを決める役目があります。小説全体の文体を決める重要な要素でもあるので、しっかりと「誰目線なのか」と視点を定めておきましょう。
人称の判断基準は「語り手が誰なのか」です。
主人公の視点で物語が進みます。小説を書くうえで、構想が作りやすくもっとも書き始めやすいスタイルではないでしょうか。
主人公の心の声(心情)がダイレクトに書けるため、読者に伝わりやすいのがメリットです。一方で主人公の知らないことを読者も知れないのが、デメリットになります。
「君」や「あなた」に語りかけるスタイルで物語を進める手法です。通常、小説ではあまり使われない人称ですが、手紙やメッセージを受け取った気分で小説が読めるため、上手く使えば読者に「自分事」と感じさせ、物語に巻き込んでいけるメリットも。
しかし状況説明がしづらくなるため、難易度の高いスタイルでもあります。読者が状況を想像できないまま物語が進み、何が起こっているのかわからなくなることもよくあるので注意しましょう。
「語り手が、今は亡き主人公の母親であったことがラストにわかるような仕掛け」などのような明確な意図がある場合を除き、迂闊に手を出さない方がいいかもしれません。
3人称は「彼は」「彼女は」「〇〇(名前)は」といった形で表します。登場人物以外の第三者、あるいは「神の目」で物語が進むスタイルです。
視点が自由に動かせるため、過去のエピソードや別の場所で起きていることなど、主人公の知りえないことも語れるのが利点。物語に対する読者の理解をより深めるために役立ちます。
「神の目」をもつ反面、登場人物の心の動きや感情そのものを文章中に表記できないのは難点です。どうしても登場人物の感情を書きたい場合には、丸括弧()を使い、心の声を表現する方法もあります。ジャンルによっては使いどころがあるかもしれませんね。
※小説の人称についてそれぞれのコツなどを詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください
人称別の書き方ポイントと注意点を紹介
起きている出来事を説明し、物語を進めていくための基盤となるのが「地の文」です。
以下のような状況でよく使われます。
物語が進行しているシーンで、登場人物が見ている背景や、感じているものについての描写
一般的な小説(三人称)では、地の文は文語、会話文は口語で表現します。
特にエンタメ小説を書く場合は、地の文と会話文のバランスに気を付けましょう。説明的な地の文ばかり続くと面白みに欠け、会話文ばかりでは情景が伝わりにくくなります。
地の文では他の物事に例えたり、似た物事を引き合いに出したりする「比喩表現」を使うことで読者がイメージしやすい文章を意識しましょう。
※小説の地の文について掘り下げて学びたい方は以下の記事を参考にしてください
地の文|良い使い方とやってはいけない使い方
エンタメ小説の場合、キャラクターの魅力が小説の魅力に直結する傾向があります。キャラクターの魅力で読者を引きつけたい場合、会話文はとても重要な武器になるので工夫したい部分です。地の文ばかりに頼らず、上手に会話文を入れましょう。
縦書きの小説における会話文のルールは以下です。
情報をすべて地の文で表現すると、説明的な文章が多くなるためテンポが悪く感じられ、読者を飽きさせてしまうことがよくあります。
情報量が多くなるときは、地の文で書き連ねるよりも会話文を利用するようにしましょう。第三者が主人公に対して状況の説明をしている体にすると、読者も主人公と同じ立場で一緒に設定を追っていくため、理解しやすくなります。
ただし、状況説明は「自然に」取り入れることが大切です。キャラクターが突然長々と物語の世界設定を語り出したのでは、読者に不自然な感じを与えます。説明的な長台詞を延々と続けないように注意しましょう。
※小説のセリフ(会話文)の書き方についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください
セリフの書き方|台詞回し・掛け合い・会話文のコツ
※また小説の文体についても以下で詳しく書き方のコツを解説していますので、ぜひ参考にしてください
小説の文体とは?
長い文章を書いていると、次第に内容の矛盾や文章のブレが出てきてしまうことは多いものです。小説を書いた後は、推敲することで小説を磨き上げましょう。
推敲は以下のタイミングで行うのがオススメです。
「その日の執筆を終えたところ」
「その日書きはじめる前」
全部書いた後に、まとめて推敲するより、少しずつ振り返りながら作業したほうが、大きなズレが生じる前に気づいて軌道修正ができます。
小説が書き上がってから再度推敲する場合には、少し時間をおいてから行いましょう。書き上げた直後は気分が高ぶって、作品への思い入れも強くなりがちなため、客観的な推敲は難しい状態になっています。
書き上げてから数日、できれば次の作品のプロットを練りながら、1週間ほどあけて推敲をすると冷静に作品を見直せます。
小説の推敲は以下の2つのポイントに沿って行います。1つは「文章の正しさ」。2つ目は「作品としての面白さ」を確認します。
基本的な文章の確認を行うのはもちろん、より素晴らしい作品にするためには「編集者目線」のチェックも必要です。文法チェックが済んだら、次は「編集校正」というストーリー部分の校正を行いましょう。確認するポイントは以下です。
文章のルールは守られているか、編集者的な視点でチェックできているか、始まりと終わりは適切かを確認し、作品のクオリティを上げていきましょう!
※書いた小説を見直すときのポイントをより深く知りたい方は以下の記事をご覧ください
小説の推敲・校正のポイントとコツ
▼プロ目線のチェックリストで作品のクオリティを高めよう▼
せっかく推敲に時間を割くなら、意味のあるチェックをしたいものです。
的を絞って見直すことで、作品のクオリティがぐっと上がるはず。
推敲にはぜひ、榎本メソッドオリジナルの「チェックリスト」を活用してください。現役の小説家・編集者がどんな視点で作品づくりをしているのかがわかります。
ぜひプロの視点で作成したリストを使い、書き上げた作品を見直してみてください。
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小説を書くとき、どんな準備が必要なのか、どんなことに気をつければいいのかを知っておくと「書きはじめたけれど最後まで書けない」という事態が少なくなります。
小説は「完成させる」のがステップアップの基本。ラストまで書き上げた経験があなたを上達させるのです。手順を確認しながら、あなたの作品を完成させてください。
この記事は小説家デビューを目指す方を対象に作られた小説の書き方公開講座です。
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榎本メソッド小説講座 -Online- のご案内
お読みいただいているページは、現場で活躍する小説家・編集者・専門学校講師が講師を務める、小説家デビューを目的としたオンライン講座「榎本メソッド小説講座 -Online-」の公開講座です。小説家デビューに向けてより深く体系的に学習したい、現役プロの講評を受けてみたいといった方は、是非本編の受講をご検討ください。
監修|榎本 秋
1977年東京生。2000年より、IT・歴史系ライターの仕事を始め、専門学校講師・書店でのWEBサイト企画や販売促進に関わったあと、ライトノベル再発見ブームにライター、著者として関わる。2007年に榎本事務所の設立に関与し、以降はプロデューサー、スーパーバイザーとして関わる。専門学校などでの講義経験を元に制作した小説創作指南本は日本一の刊行数を誇っており、自身も本名名義で時代小説を執筆している。
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